2014年08月03日

ソビエト・ロシア 特殊部隊用バイザーヘルメット

ズドラーストヴィーチェ!(こんにちわ)

今日はあの独特な形がカッコよすぎるソビエト・ロシア特殊部隊(スペツナズ)用のバイザーヘルメットについて
自分がこれまでに調べたことをまとめてみました。

ちなみに”スペツナズ”というのは特殊部隊全体を指す言葉で、ロシアでは色んな組織別にそれぞれの”スペツナズ”が存在するのです!
その辺りの事を詳しく知りたい方はイラストでまなぶ! 世界の特殊部隊 ロシア・ヨーロッパ・アジア編という書籍で詳しく解説されているのでぜひ読まれると良いと思います!

年代、組織別のソ連・ロシア スペツナズ用バイザーヘルメットの系譜

バイザーヘルメットには実に様々な種類があるのですが、全てのヘルメットはチタン or スチール製でクラス2の防弾性能があり、トカレフやマカロフの拳銃弾を防げるようです。
あとKGB・FSB系のスペツナズは20年以上に渡ってTIG,Altynヘルメットを使用してきたのですが、そのうち"アルファ"や"ヴィンペル"といった部隊では最近では既にバイザーヘルメットを使用しておらず”アルファ”公式2014カレンダーによるとops-core FASTヘルメット等の米国製の軽量なヘルメットを使用しているようです。
ただし、"アルファ"の地域特殊任務課(РОСН)では現在でもAltynヘルメットが使用されているようです。

■1970年代後半~ スイス製PSH-77 TIG ヘルメット
スイス製の総チタン製ヘルメットでその後のソ連・ロシアのバイザーヘルメットの原型となる物です。ザクでいったら旧ザクですね!(笑)
1970年代後半頃にソ連のKGBスペツナズ用に輸入されたようで、ソ連のアフガン侵攻時にKGBスペツナズによって使用されたようです。

スイス製 PSH-77 TIG ヘルメット

後で紹介するソ連・ロシア製ヘルメットに比べて表面がつるっとしています。全体から漂ういぶし銀オーラが凄いです!

ヘルメットの内側

ライナーは革タブを紐で縛る第二次大戦ドイツのM35ヘルメットのような感じの物です。
顎ストラップのタブにはTIG PSH-77と書かれてます。

アフガン戦時の使用画像です。


やはり重たすぎるのか全員バイザーは外していますね(^^;



■1980年代?~ ロシア製 TIGヘルメット
ソ連・ロシアがスイス製のPSH-77 TIG ヘルメットをコピー・改良して作成した総チタン製のヘルメットです。

オリジナルに比べると以下のような特徴があります。
・ラジオ用スピーカーを内蔵し、PTT、マイク、ラジオコード接続部をヘルメットに追加。
・表面を梨地仕上げに変更。
・ライナーを発砲スチロール製に変更。
・ヘルメットのふちを保護するカバーを布からゴムに変更。


このヘルメットはレンズの大きさで大まかに初期型後期型に別けられるのですが
ラジオ接続コードのpin数(19or7)やPTTの有無、マイクの位置などで様々なタイプが存在するようです。
さらに後述するAltynヘルメットとバイザーに互換性があるらしく、本体はTIGだけどバイザーはAltynまたはその逆の場合があったりともう訳が解りません(笑)

使用開始年代ですが、1980年代の使用画像がある訳ではないので確ではなのですが
1993年のモスクワ騒乱事件の際に”後期型”のロシア製TIGヘルメットの使用が確認されているので、きっと使われ始めたのは1980年代後半だろうと推定しました。

初期型(レンズが小さい)


後期型(レンズが大きい)


後期型派生?マイクが内側に取り付けられています。


1993年のモスクワ騒乱事件の際に出動したFSB(KGBの後継機関)のスペツナズ"アルファ"隊員です。こちらは初期型を装着しています。
コードが太いので、おそらく接続部は19pinタイプでしょう。


同じく"アルファ"隊員。こちらは後期型ですね。





■1980年代?~ Altynヘルメット
ロシア製TIGヘルメットと同時期に平行して製造されたAltynヘルメットです。
90年代頃まではTIGとAltynが平行して使用されていたようですが、2004年のベスラン学校占拠事件に出動したFSBスペツナズ
"アルファ"、"ヴィンペル"隊員はほぼ全員後期型のAltynヘルメットを装着していたので、その頃にはAltynヘルメットに統一されたのだと思われます。
※一部TIGヘルメットの使用あり

ロシア製TIGヘルメットとは以下のような違いがあるようです。
・バイザーの切り欠きが廃止されてラウンド形状になった。
・マイクが右側にしか取り付けられなくなった。


また、ロシア製TIGヘルメットと同様に初期型、後期型などがあるようです。

初期型(レンズが小さい)


後期型(レンズが大きい)


後期型派生?バイザーの上部が山なりに成っています。


1993年のモスクワ騒乱事件の際の"アルファ"隊員です。こちらは初期型を装着しています。


1993年時点では後期型のAltynヘルメットは使用されていないようです。

2004年のベスラン学校占拠事件の際の"アルファ"隊員です。こちらは後期型を装着しています。

CRS@空挺軍さんのブログ「ロシア軍を追い続けて」の記事「ベスラン学校占拠事件にて殉職された特殊部隊員」によると写真の隊員は「オレグ・ロスコフ准尉」という隊員らしく、同ブログから引用させて頂くと
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准尉は脱出してきた少女二人を救助し、その後シェルターに向かって脱出を目指す人質達に射撃する4人のテロリストへ 向い
人質達の盾となり、殉職した。

享年23歳 死後 祖国功労勲章4級を授章
ベスラン学校占拠前の起こる3週間前に、結婚式を挙げたばかりであったという。
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との事で、ベスラン学校占拠事件で殉職された10名の"アルファ"、"ヴィンペル"隊員はほとんどが人質の盾となったり、手榴弾に覆いかぶさったりして殉職されたそうです。


気が向いたら残りの内務省国内軍系ヘルメットについてもご紹介するかもしれません。

それでは、ダスヴィダーニャ(さようなら)!!!!




Posted by e@g1e  at 20:49 │Comments(2)ヘルメットソビエト・ロシア関連

この記事へのコメント
はじめまして
大変興味深い記事をありがとうございます!
内務省系の装備を集めているのですが、Althynを買えばよいのかRys系を買えばよいのか悩んでいたところでした。

大変勉強になりました、今度はぜひとも内務省系のTIGヘルメットについても考察をお願いします。
Posted by ガンマ at 2014年08月22日 17:53
どうもです(^^)
自分もロシア系装備に興味を持ち始めたばかりなので、あまり詳しい事は知らなかったりします。
それでもお役に立ったならば光栄です。

内務省系ヘルメットの考察をするかどうかは解りませんが、その時は補足・訂正などあれば御指摘頂ければ幸いです。
Posted by e@g1ee@g1e at 2014年08月24日 14:57
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