2009年06月01日

"LMT MRP" vs. HK416

前回の「LWRC M4カスタム」でも触れましたが、
現在最高のM4カスタムはガスピストン式の物であるのは確実だと思います。
しかし、数あるガスピストン式ARライフルの中ではどの製品が一番優れているのでしょうか?

色々と調べていると、LMT社製のガスピストン式MRP (Monolithic rail platform)がかなり良い物らしいです。
Lewis Machine &Tool (LMT)社はCQB-R用のリアサイトやクレーンストック等を製作している会社で、
個人的な感覚ですが、LWRC社のように元特殊部隊の人を起用して派手に宣伝したりせずに
黙々とハイクオリティなアイテムを作り続けているイメージがあります。

そんなLMT社が今年遂に以前から存在したダイレクトガス式ARライフル用のMRPをベースに
ガスピストン式MRPの製品化に成功したようです。


※写真はダイレクトガス式MRPです。

MRPはアッパーとレールが一体になったシステムで、バレルの交換が容易に出来るのが特徴のようです。
勿論アッパーとレールが一体なので強度も半端じゃないでしょう。

そんな"LMT MRP"とHK416はどちらが優れているのかと思っていた所、
米国ショットショーの速報や各種銃器や装備のインプレで有名な"SMG Lee"ことChen Leeさんが
ミリフォトに投稿された記事にそのものずばりの

「Piston War....LMT MRP Piston vs. HK 416....and the winner is..」

という投稿があったので思わず翻訳してしまいました。
以下はその翻訳に成ります。(間違っていたらゴメンナサイ)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

2009/02/16
「ピストン戦争! LMR MRP ピストン 対 HK416 勝利者は!?」


H&K社はイギリス軍の為のSA80A2プロジェクトの成功に続いて、
AR-15/M16プラットホームの改修を行いました。

そうして出来上がったHK416はすぐにミリタリーマーケットで成功し
エリート中のエリートに好まれる物に成りました。

それと同様に民間市場でもHK416は熱望されましたが
バレル、ピストン、アッパーレシーバー、HKリコイルバッファー、バッファースプリングのセットは
市場価格で最大$5000という天文学的な値段に達してしまいました。

これはいくつかの政治的な理由のせいでH&K社がHK416を米国の民間市場で販売出来なかった為です。この事は他社が同じような銃を作るきっかけと成りました。


最初にHK416と同様のシステムを持つAR-15/M16を製作したのは「LWRCI」です。
これは数少ないHK416と同様の性能と耐久性を持つピストンシステムを持っています。

その後「Patriot Ordnance Factory (POF) 」や他のメーカーがこの「ケンカ」に参加し、
新しいガスピストンARライフルの開発競争が熱狂的に盛り上がりました。

その結果結局「LWRCI」「POF」「PWS」社のシステムだけが実用に耐えうると証明されました。

しかしながら今年遂にLewis Machine & Tool (LMT) はMRP (Monolithic Rail Platform)システムをベースにしたピストン/オペレーティングロッドシステム(Piston/Op-Rod System)を発表しました。

LMTは独自のピストンシステムをSCARに採用された物を元に開発していましたが
既存の成功しているガスピストンARライフルの天下を崩す為にタイミングを見計らって、生産スケジュールを調整していたので
完全に開発された"ガスピストン式MRP"の配送は現在まで遅れました。


高速にバレルの交換が可能で、ワンピースの「一体型」レールプラットフォームを持つ
標準のダイレクトガス式(Direct-Gas-Impingement : DGI)LMT MRPは
すべてのダイレクトガスAR-15/M16/M4/M4A1プラットホームの中でフェラーリ的な存在でした。
LMT社の新しいガスピストン式MRPの位置づけはガスピストン式ARライフルの中でも同様です。

HK416を含む市場に出回っている殆どのガスピストン式ARライフルの反動は
既存のダイレクトガス式ARライフルの物とは異なります。
ガスピストン式のカービンやSBRの反動の衝撃はより鋭く急激な振動として射手に感じられます。
したがってHK416の反動はダイレクトガス式ARライフルほどスムースでソフトではありません。
しかし、だからといってHK416は信頼性に劣っているという訳ではありません。

一方、LMT製のガスピストン式MRPライフルの反動はダイレクトガス式ARライフルのようにスムースでソフトです。
HK416や最近撃った「LWRC」「POF」「PWS」システムに比べて、"LMT MRP"の反動のほうがダイレクトガス式ARライフルに近いです。


我々は"LMT MRP"に
・EOTech 556ドットサイト
・Midwest Industries フィリップアップフロント&リアSPLPサイト
・TangoDown レールパネル,フォアグリップ
をセットアップしました。
またH2バッファーを標準のリコイルスプリングで組んでいます。

すべての発射テストは最新のTangoDown製のARCポリマーマガジンを使用しました。

"LMT MRP"の精度は冷間鍛造バレルを持つ"HK416"に匹敵します。
私たちは銃にLeupold Mark 4 MR/T 2.5-8X36スコープをAmerican Defense Manufacturing 30mm QDマウントで取り付けて100ヤードをプローン(伏せ)で撃ちました。

両方の銃の精度はHornady 75gr TAPの5.56mmの弾薬では1-2MOA(91.44メートルで2.54~5.08センチ)で、Lake City M855 ballとM193弾薬では約2-3MOA(91.44メートルで5.08~7.62センチ)でした。

また、我々はWolf鉄ケース弾薬(激安で有名)を使用しましたが、その弾薬は実際の精度より信頼性試験のためのものでした。

"LMT MRP"カービンの精度はその他の戦闘カービン銃と同様でした。
私はテスト時にマッチトリガーを使用ていれば精度結果が少し良くなっただろうと確信しています。


信頼性に関する限り、HKは戦場でそれを繰り返し証明してきました。
LMTは性能を証明できるでしょうか?
HK416は既に信頼性が立証されたシステムであったので、私たちはMRPピストンシステムに集中しました。

私たちは当日トレーニングセッションのときに様々なシューターから取得した、
Wolf弾500発とM193弾500発とM855弾やさまざまなリロード弾、およびファクトリー弾500発を撃ちました。
全てを撃ち終えた時、総発射弾数は約2,000発に成っていました。

その結果"LMT MRP"は内部を清潔にする為に簡単に拭くだけで無事に動作しました。
しかしながら、Wolf弾のせいで私たちはWolf弾で一般的な赤いシーリング剤を取り除くために
チャンバーやボルトヘッドをこすり洗いしなければなりませんでした。


HK416はバレル、バレルナット、ボルト、ボルトキャリヤー、撃針を含む多くのコンポーネントが専用品です。
これらは既存のダイレクトガス式ARライフルとの互換性は無く、
消耗品であるHKバッファーやリコイルスプリングはH&K社に注文しなければ成りません。

しかし、MRPはHK416よりダイレクトガス式ARライフルと多くの部品互換性があります。
"LMT MRP"はダイレクトガス式ARライフル用のボルトと撃針を動作させることが可能です。

また、HKの銃はただバレルを取り外すだけの為に専用の高価なアーマーツールを購入しなければなりません。
LMTの銃はレールプラットホームに保持されているバレルを取り外すのに、2個のトルクネジを緩めるだけで済みます。
私たちのような政府予算で銃を買えない一般のシューターにとっては、MRPは確実にHK416よりはるかに安価で簡単に維持できます。


HKのピストンシステムはトップ・ローディングシステムです。
HK416はガスピストンを綺麗にする為にレールを取り外す必要がありますが、
私が話した多くのオペレーターは、PEQ15を再びゼロインする作業に非常に手間が掛かるのでそれを好みません。

対照的に、"LMT MRP"はフロント・ローディングシステムです。
前部のガスレギュレタープラグを取り外せば、すべての部品に容易にアクセスできるので
ピストンとオペレーティングロッドにアクセスするためにレールを取り外す必要はありません。

またこのプラグで標準の発射レートと抑圧された発射レートに調整可能です。
これはサプレッサーが装着された銃を動かすのに大きな利点です。

私たちには、素敵なAAC M4-2000マズル(サプレッサー装着可能)で両方の銃(HK416と"LMT MRP")を動かす機会がありました。
そして、その結果は非常に興味深かったです。

サプレッサー付きガスピストン式ライフルは過剰ガスをリリースしているガスレギュレターのため
サプレッサー付きダイレクトガス式ライフルよりはるかにやかましいです。
ただし"LMT MRP"は、HK416よりわずかに静かでした。

スタジオ放映用の高品質サウンドメーターをシューターの左耳付近に置いた状態で音の出力を測定しました。
HK416の発射音はダイレクトガス式銃より約1.5dB高かったのですが、
サプレッサー付き"LMT MRP"の発射音はダイレクトガス式銃に比べて1dB以内の高さでした。
両方の銃はサプレッサーを付けると通常時より発射サイクルが上がりましたが、
それでもまだサプレッサー付きコルトM4(ダイレクトガス式)よりは遅く動いていました。


"LMT MRP"の重量はHK416と同じぐらい(M4/M4A1と比べて、HK416は重いです)ですが、
その重さはARシステムの究極の信頼性を獲得する為には十分な価値があります。

"LMT MRP"はHK416と丁度同じくらい信頼できますが、半分の費用("LMT MRP"=$1400 HK416=$4000)で済み、
より射撃時の反動が滑らかで、HK416より既存のARライフルとの部品の共通点が多いプラットホームです。

残された唯一の疑問は"LMT MRP"の設計はどの程度信頼出来るか?ですが
これはまさしく私が1日で撃った2000発以上の射撃を必要とします。
私はこの逸品でより多くの射撃をする必要があるでしょう。
そのために私はひと月以内にサウス・ヒル(ヴァージニア)のラリービッカーズのカービン銃クラスにこの銃を連れて行く事を計画しています。


もし私が「どのガスピストン式ARライフルを買うべきか?」と尋ねられれば
信頼性と精度が高く、安価で民間市場で入手し易く、他の銃よりリコイルがスムースで
HK416に比べて簡単にピストンにアクセス可能かつ標準のM4の部品と互換性が多いため
スペアパーツの入手が容易な"LMT MRP"を強く勧めます。

"LMT MRP"は私の意見では完勝者です。


※訳注:特に記述が無い限り"LMT MRP"はガスピストン式MRPを表します。
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------


"LMT MRP"は完勝者かッ!(笑)

確かにピストンを掃除する度にレールを取り外してたらレールに付けている
光学機器のゼロインをやり直さないといけないので大変ですね・・・。

あと「MRPは他のガスピストン式ARライフルより反動がスムース」というのも気になります。
単純に本体が重いからではなさそうなので、きっと効率が良いシステムなのでしょう。

もし価格の問題が解決するならば、米国の次期採用銃は
既存のM4にMRPシステムを組み込んだ物にするという選択もありじゃないでしょうか?









同じカテゴリー(ライフル)の記事画像
LCT AK105
LCT VSS チューニングその1(精度向上+消音化)
RS SVD
RS SVD
RS SVD
VSR-10 流速カスタム(失敗編)
同じカテゴリー(ライフル)の記事
 LCT AK105"FSB"カスタム (2016-08-17 22:00)
 LCT VSS チューニングその1(精度向上+消音化) (2015-02-11 20:44)
 RS SVD "ドラグノフ" カスタム(3) 【電装系+ピストン交換編】 (2014-05-14 00:20)
 RS SVD "ドラグノフ" カスタム(2) 【流速化編】 (2014-05-13 00:14)
 RS SVD "ドラグノフ" カスタム(1) 【チャンバー・多弾数マガジン編】 (2014-05-10 01:11)
 VSR-10 流速カスタム(失敗編) (2013-12-14 12:02)

Posted by e@g1e  at 02:23 │Comments(7)ライフル

この記事へのコメント
まだよ(笑)
お久しぶりでございます。

>"LMT MRP"の精度は冷間鍛造バレルを持つ"HK416"に匹敵します。

多分、この辺がミソですよね。精度と冷間鍛造はあんまり関係なくて、バレルの加熱に伴って発生するフライヤー、暴れ玉の発生を抑えるには、現状では超高価な冷間鍛造バレルくらいしか無く、わざわざガバメントがそんな高価なバレルをHK社に注文したのも、意図としてそういった物があったと。
そして、廉価なコマーシャルバレル仕様を販売して416伝説にミソを付けるのが嫌で、結局HK社はそれを出さなかった。そこで様子を見ていたガンメーカーが、という事でしょうか?

でも、4,000ダラーの値札を見た後に、1,400ダラーで同性能の物がこちらに、と来られたら、断れる気がしないです(笑
Posted by このLMTの回し者め! at 2009年06月01日 03:53
某所であった
"デルタがMRPをテスト中"
ってのはこのことか!?
信頼性が同等ならHK勝ち目無いじゃん。...416持ってなくてよかった(爆)

たしかSCARは純粋なガスピストン式じゃなくてボルトに直接ガスをぶつけない改良型のリュグマンなんだよね。そのへんが416との違いに表れてるような。
はっ、こりゃSCARも危ない!?(喜)
Posted by スマッシー@例のパッチはメンドクサイ(T_T) at 2009年06月01日 07:52
あまり騒ぐとHK416ブルパップにして、SA2020作らしますよ!!!目まいが・・・・・・
Posted by 殺人サンタ at 2009年06月01日 22:35
>HKのまわしものさん
う~ん、確かに民間仕様のセミオート対決ではバレル加熱時のグルーピングを取るのは難しそうですね。
さすが0XLeeさん、目の付け所がいいですな~。
軍用銃に一番大事なのは「戦場で証明された信頼性」らしいので、HK416のほうがまだちょっと有利っぽいですね。

>スマッシー@例のパッチ頑張って下さい!さん
おおっと、それはあの異常に高いBestGun製のMRPコンバージョンキットをいつか購入する予定という事でいいですね?
電動ガンの中で1番大事なチャンバー部分が独特の物なので自分も手を出せなかったアレを・・・(笑)

まぁ一部の特殊部隊に納入するだけなら何とか成ると思いますが、
米軍全てに納入するとなるとLMTの規模では難しいかもわからないですね・・・。
でもあの一体型レールのカッコ良さといったらないですね(><)

>殺人サンタさん
レール付きで妙に黒くて、水に漬けてもサッと一振りすれば撃てる
ブッシュマスターウルトラカスタムを作られても・・・(笑)
Posted by e@g1e at 2009年06月01日 23:58
>SA2020

ttp://www.danieldefense.com/?page=article/read&id=74

どうしようもない子を改修すると、その後伸びるというジンクスでしょうか…
Posted by SA2080 at 2009年06月02日 20:33
すみません、URL入れ忘れました。
Posted by SA2080 at 2009年06月02日 20:35
最高の銃器メーカーが改修して、最高のレールメーカー作ったレールを装着した
SA80が名銃でないはずがないィィィィィイイイイイイイイイイ!!!!!

SASはわがまま言わずにSA80を使うベキだと思います(笑)
Posted by e@g1e at 2009年06月02日 23:09
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。